こんにちは、アラサー看護師のしおさらです。
アレルギー性鼻炎と喘息の治療のため、2020年11月から、減感作療法の皮下免疫療法という治療を受けています。
減感作療法の注射とは別に、ヒスタグロビン注射とイノイトロピン注射という注射を打っています。
今回は、ヒスタグロビンについて詳しく書いていきたいと思います。
ヒスタグロビン注射
ヒスタグロビン注射とは
ヒスタグロビン注射は以下の作用を持つお薬です。
- アレルギー症状の悪化・慢性化を引き起こす好酸球の浸潤を抑える作用
- アレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑える作用
- ヒスタミンに対する抵抗力を与える作用
アレルギー物質が体内に入ってくると、免疫細胞がヒスタミン、ロイコトリエンなどの物質を放出します。これが、かゆみや鼻づまり、息苦しさ、炎症などさまざまなアレルギー症状をおこさせるもとになります。
ヒスタグロビン注射はこのヒスタミンの放出を抑える作用と、ヒスタミンが放出されてもアレルギー反応を出にくくさせる作用があります。
免疫反応に働きかけてアレルギー反応が出ないようにする治療法で、体質を変えていく根本治療なんだって。
減感作療法は、特定のアレルギーにのみ(特異的)作用するのに対し、ヒスタグロビン注射は、様々なアレルギーに対して(非特異的)効果を発揮します。
様々なアレルギーに対して(非特異的)作用することから、非特異的減感作療法と呼ばれています。
治療法
成人は週に1-2回、小児は週に1回を合計6回皮下注射します。6回で1クールとなります。

効果が不十分な時はもう1クール実施します。
慢性アレルギーの方は、症状安定のため3カ月に1回程度の継続注射を行う場合があります。
適応疾患
以下の疾患との診断があれば保健適応で治療可能です。
- 気管支喘息
- 血管運動性鼻炎
- アレルギー性鼻炎
- じんま疹
- 慢性湿疹
- アトピー性皮膚炎
投与できない方
- 本剤の成分に対しショックの既往歴がある方
- 激しい喘息発作時(症状を増悪させることがある)
- 月経直前及び期間中の方(一時的に症状を悪化させる可能性がある)
- 妊娠中又は妊娠している可能性がある方
- 著しく衰弱している方(発作を誘発する恐れがある)
注意事項
ヒスタグロビン注射の成分である、人免疫グロブリンは日本で採血された血液が原料となっています。
血液を原料とした製剤であることから、ウイルスを取り除く処理を行っており、細菌・ウイルスなど理論上は全ての微生物の排除をしています。そのため、1967年に発売以来、ヒスタグロビン注射による感染症の報告はありません。しかし、血液を原料としていることによるウイルス感染などの可能性を完全に否定することはできません。
比較的安全性の高いお薬みたい。
「ヒスタグロビン注射」を含めたヒト組織や血液を原料とした製品を使用した方は、献血を控えることが求められています。
生ワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘ワクチン)の効果獲得に対しても影響を与える可能性があるため、ワクチン接種からは最低2週間あける必要があります。
料金
薬品名 | 量 | 価格 | 3割負担 |
---|---|---|---|
ヒスタグロビン注射 | 1.5ml | 731.0円 | 219円 |
※ヒスタグロビンにはジェネリック医薬品(後発医薬品)がありません。
まとめ
ヒスタグロビン注射も免疫反応に直接働きかけて、アレルギー反応を出にくくする減感作療法です。
特定のアレルギー物質だけでなく、様々なアレルギー物質に対して作用を発揮する為、アレルゲンをたくさん持っている人には特に有効と言えます。
合わせて、ノイロトロピンという注射を併用するとより高い効果を発揮すると言われています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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