こんにちは、アラサー看護師のしおさらです。
突然ですが、皆さんは「アレルギーに根本治療がある」ということを知っていますか?
私は知りませんでした・・・
そして、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、ぶつぶつ、ぜーぜー、(笑)などの数々のアレルギー症状を「アレルギーだからしょうがない」「一生薬を使って生活するしかない」と思って、あきらめていました。(というか、そういうものだと思ってました。)
ですが、つい最近アレルギーの根本治療である減感作療法(皮下免疫療法)の存在を知り、始めてみることにしました。
今回は減感作療法の適応、治療法、種類など、分かりやすくお伝えしていきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
減感作療法とは
減感作療法はアレルゲン免疫療法とも呼ばれ、現時点では唯一のアレルギーの根本治療です。
特定のアレルギーの原因物質(抗原)を体に取り入れ、そのアレルギーの原因物質に対する免疫を獲得させる方法です。
少しずつアレルギーを体に慣れさせていくイメージです。
以前私が受けていた治療(対症療法)とは全く違う治療法でした。
- アレルギー物質(アレルゲン)との接触を減らす
- アレルギーが出る前、または出たらすぐに薬で治療する
アレルギーの原因物質に対する免疫を獲得させ、体質を根本から変えていく
例をあげて説明します。
花粉症で長年悩んでいる方がいたとします。
今までの治療の場合

- 外出を控える
- マスク、ゴーグルを使用する
- 空気清浄機を使う
- 洗濯物を室内に干す など

- 症状が出る前から花粉症の薬を飲む
- 鼻水がひどいので、点鼻薬を使用する など
といった方法で対処していたと思います。
でもこの方法は症状を見えなくしているだけで、薬を飲まなかったり、アレルギー物質である花粉と接触してしまったら症状が出てしまう場合も多くあります。
また、体質は変わっていないので毎年同じように対処し続けなければいけません。
一方根本治療の場合
アレルギーの原因物質に対する免疫を獲得させ、体質を根本から変えていく
・皮下免疫療法(皮下注射にて抗体を体内に取り入れる方法)または、舌下免疫療法(内服によって抗体を体内に取り入れる方法)を3~5年続ける。
といった方法で治療します。
完治した場合は、花粉の飛散時期にマスクなしで外出しても、薬を飲まなくても問題ない体質になります。
夢のよう・・・
厚生労働省のホームページでも、減感作療法(免疫療法)について、下記のように記載しています。
対症療法である薬物療法とは異なり、免疫療法は唯一“治癒”または長期寛解を期待できる根治治療である。
小児期に行うと、他抗原の感作を抑制し、他のアレルギー疾患の合併を減少させる効果がある。
症状が強い場合、通院の条件が整えば、特異的減感作療法も選択肢のひとつで、唯一医師の手をはなれられる方法である。
厚生労働省ホームページ
しかし、一方でネガティブな側面も記載されいていました。
注射法の問題点として、副作用、特にアナフィラキシーショックによる致死的な有害事象が起きる可能性が懸念されている。定期的な通院を必要とする。痛みの為小児には行えない。
厚生労働省ホームページ
では、どのような治療なのか詳しく解説していきます。
減感作療法の適応疾患
減感作療法の適応は、以下のアレルギー疾患などがあります。
- 通年性アレルギー性鼻炎
- 花粉症
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
これらの疾患と診断された場合は、保健適応で治療を受けることができます。
減感作療法の種類
減感作療法は、特定のアレルギー物質(抗体)を体に取り入れるのですが、その方法が2つあります。
一つは皮下注射、もうひとつは内服(舌下錠の内服)です。
どちらも治療期間は3~5年と言われています。
それぞれ説明していきます。
⒈ 皮下免疫療法
腕、またはお腹に直接針を刺して、抗体を体内に取り入れます。
スギ ヒノキ ハウスダスト ブタクサ
カモガヤ(保険外)
・対象となる抗原の種類が多い
・取り扱っている医療機関が多い
・痛い
・定期的な通院が必要(1~2回/2週間程)
・舌下免疫療法より副作用の可能性が高い
この治療のハウスダストの成分には、少量ですが、「ダニ、カビ、ネコ、イヌ」等のアレルギー抗原も含まれているそうです。
⒉ 舌下免疫療法
舌下錠(舌の下で溶かして飲みこむ)を内服して抗体を体内に取り入れます。
スギ ダニ
・痛みがない
・副作用のリスクが皮下注射と比べて少ない
・自宅での治療が可能
・対象となる抗原の種類が少ない
・取り扱っている医療機関が比較的少ない
・毎日の内服が必要
痛みがなく、通院頻度も少ないので、スギ、ダニのアレルギーの方にはとっても魅力的だと思います。
どちらもメリット、デメリットがあるので、自分に合った治療法を選択する必要があります。
私の場合は、ハウスダストとダニのアレルギーが強かった為、両方を治療できる皮下免疫療法を選択しました。
副作用について
少量ずつとはいえ、体内にアレルゲンを入れるので、アナフィラキシーショックなどの副作用が起こる可能性があります。
注射の直後に帰宅をせず、少し様子を見てから帰る、前回の様子を細かく伝えることで、ある程度対策ができます。
皮膚の痒みや赤みなどの皮膚症状、咳や息苦しさなどの呼吸症状、めまいなどがあった際は、すぐに担当の医師に相談してください。
まとめ
減感作療法は、現時点でアレルギーを治す唯一の治療です。
アレルギーに悩まされない日々が送れると思うと夢の様ですよね。
ですが、完治までには長い期間を要し、痛みやコストの問題、副作用のリスクもあります。
治療内容をよく理解し、根気強く戦っていく必要があります。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
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